銀の匙 Silver Spoon 1 ネタバレあり感想

銀の匙 Silver Spoon 1 (少年サンデーコミックス) コミックス – 2011/7/15
荒川 弘 (著)

投げやりに来た学校で慣れない環境なのに、
投げ出す訳でもないし、子牛を捕まえておかないと、
という発想になるあたり、やっぱり八軒君は登場時から
ずっといい人なんだなと思います。
何になりたいの? と訊かれて適当にごまかすのではなく
別に何も と答えるところや
常盤君にできるまで付き合うよと言ってしまうところ、
ニワトリ捕まえるの手伝ってくれないと言われて
はいやりますと答えてしまうところも真面目です。
その時すかさず「よし手伝いいくべ」と言い、
「八軒おまえ人に構って損するタイプだろ」
と言う駒場もなかなかの観察眼です。

わざわざ一般入試で札幌からってみんなに言われつつも
本当は家から出られて遠いところならどこでもいい
と思ってきた学校。
それでもスモークチキンひとつとっても
先入観はいけないと前を向こうとしているところが偉いです。

一位にこだわってしまったり、
努力が報われないってのはなんかやだな
と思ってしまうのも八軒君の心の傷なのだと思います。

駒場君も踏み込みすぎでしたが、
お互いに謝り合うシーンがあってよかったです。

獣医さんが、大切なのは殺れるかどうか、
それができなくてやめるひともいるし、
諦めた人がダメってことはない というところまで
言ってくれているところが素晴らしい。

人間の気持ち1つで一生を左右される動物たち。
その矛盾や不条理を常に頭の中において置かなければ
いけないのだと思うのです。

学校まるごと自給自足が可能という環境、
考え方や生き方自体が変わりそうな気がします。
作りたい、やりたいという生徒の声を
相談したら大抵挑戦させてくれるというのは
かなり凄い環境です。とても羨ましい。
八軒君ではないですが、まず否定され
そんな暇があるのかと言われる環境にいた身としては
本当に心から羨ましいです。

写真のあとゴミ拾い