華族令嬢たちの大正・昭和 読書レビュー

華族令嬢たちの大正・昭和 (日本語) 単行本 – 2011/4/1
華族史料研究会 (編集)

大正・昭和の時代を華族として生きた女性4人のインタビューがとても読み応えがあります。
丁寧な言葉で率直に語られていて興味深いです。

彼女たち自身の出自はもちろんのこと、
他にも近衛文麿、白州次郎など歴史の勉強をしている中で目にする名前もちらほら登場します。
日本史の授業中に徳川家康のことを先生に狸親父を言われて、徳川宗家の徳川敏子さんが泣き出してしまうエピソードなども
可愛らしくも気の毒であり、現代人にとっては希薄になりがちかもしれないご先祖様への捉え方も窺えます。
昭和22年の華族令廃止に、当時60代だった方たちは失望した反面、
お嬢様たちは解放感を感じたという証言も非常にリアルです。
教科書などの本の中の存在であった華族が、少し身近に感じられました。