【視聴了】ももへの手紙 [DVD]

楽しみに見始めたのだけれど、これは好き嫌いが別れるのでは。
賞狙いのあざとさが透けて見える薄っぺらい作品、というレビューを見たが
かなり辛辣ではあるもののそう言いたくなる気持ちはよく分かる。

親の事情に振り回されて
親は実家だから気が楽かもしれないが、子供にとっては
友達も好きな家からも引き離されたよく知らない場所に連れて行かれ
親は子供のことを考えてくれず話も聞かず
子供だけが見えている妖怪が子供に迷惑をかけるのだけれど
なぜかそれがハートウォーミング風にまとめられて終わる。

レビューを見ていても色々な人が色々な他作品の名前をあげているが
これだけを見ていればさして問題はないだろうが
いろんな作品に触れている人であればあるほど、チープに感じてしまうだろうと思う。

娘が盗んだものを屋根裏にたくさん持っているというのも問題だし
かと言って娘が話すことを全く信じず頭ごなしに怒り、しかも殴る母親というのは最低で
台風が来るからというのに娘が走って医者を呼びに行くのも無謀であれば
追ってくる子供に囃し立てられた大人が何をしてくれるかと思えば
ノーヘルで会社のバイクで二人乗り、バイクほど横風に弱い乗り物はないのに
それで橋を行き、
そこで妖怪が助けてくれるのは良いのだが、覆いになってくれるだけで
運んでくれる訳でもないし
橋を渡った先からは何故かお見送り。
更にはそこからいきなり朝になってしまい
どうやって医者を連れてきたのかも特に説明もされず
気を失った大人の違法行為も不思議な現象についてどう認識したかもわからない。

母親が娘の話を信じたのか、その根拠も特に示されず
お互いに謝ってなんとなくハッピーエンド風。

『北の国から』『海がきこえる』『となりのトトロ』

『ユタとふしぎな仲間たち』『シックスセンス』などなど
どこかで見た話、よくある設定を持ってきて継ぎ接ぎして
しかもそれが表面だけの浅いものなので
何も面白みを感じなかった。

もも以外に妖怪が見えているといううみちゃんがもっと関わってくるとか
その御蔭でももの母親が妖怪のことを信じるとか
いっそのことうみちゃんが主人公であれば
まさか町中から野菜や小物を盗みとったとも思われず
成立したかもしれないと思う。