【読了】なぜ、この人と話をすると楽になるのか 単行本

筆者のことは存じあげず、タイトルだけで手にとった。
タイトルから予想した内容とは少し違って、
楽になる、話しやすいと相手に思わせる。
飽くまでも話しやすい人格に自分がなるのではなく
思わせる技術について、という感じだ。

なんだかニコ生でコメントとやりとりしているのを本にしたみたいだなと思って読み進めたが
実際そういう本だったようだ。

コミュニケーションの為の会話は討論とは違い
チームプレイだというのは面白い言い方だった。
だからこそ真剣な会話になりそうな
よく言う政治や宗教などの話はせずに
天気やファッションなどの当たり障りがない話題の中で
相手が簡単に答えられる質問をこちらから投げることで
会話のキャッチボールをしていく。

自分が話すのではなく、引き出し相槌を打ち
互いの努力で沈黙を避けるというプレイ。
だからマウンティングは必要無い。
重い議題も必要無いのだ。

自分は”コミュ症”ではないと思う。
ちょっとエレベーターで一緒になったときの当たり障りの無い会話に困った経験はそんなに無い。
単にコミュニケーションを取る、会話とはグルーミングというのは
あまり納得がいかないかなと思う。
グルーミングだとしてこのやり方では自分が一方的に相手に傅いているだけで
自分の真剣な気持ちや意見を聞いてもらうことはできにくい。

どうでもいい会話にしか使えないし
相手がどう出てくるかにもよるので
自分ばかりストレスがたまることも容易に考えられる。
相手も会話をチームプレイと捉えてくれる人なら兎も角
そうでないならパスばかりでシュートをしない軟弱者と思われて話にならない、ともなりえそうだ。

自分はサッカーは好きだしそこそこ知っている方だと思うが
この本の中のサッカーのチームプレイのたとえはよくわからないものが多かった。
サッカーにたとえる必要性もあまり感じられないので
しつこく感じがちかと思った。

表面的というか、入門のようなさわりだけが書いてある本で
とっつきやすく、これを読んでなるほどと楽になる人もいると思う。
だがもう一歩踏み込んだ具体的なスキルの説明があっても良かったのかなと思った。

2016.2.26