原作のイギリスだからこそ成り立つ微妙な空気感を、無理に日本に焼きなおす必要があったのだろうか。
マーニーの容姿が原作通りのままなので、杏奈の目が青みがかっているという設定にされている。
屋敷を外国人が使っていたという設定にするよりも、
舞台をイギリスのままにするか、マーニーも日本人風の容姿にしても良かったのではないのか。

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原作でもアンナは心を開けず可愛げがない女の子ではあるのだが、
それにしてもこの杏奈は可愛げがないというより
普通に失礼で小生意気という印象を受けた。

原作でいうサンドラであろうノブ子もアニメではずっと親切で、
杏奈の方がただ我慢のきかない我儘な子供のように見えた。

風車の恐怖もサイロと風に置き換えられイマイチだったし、
マーニー自身の他ワンタメニー(十一)、エドワード(和彦)の魅力が
殆ど描ききれておらず、原作を呼んだ時ほど伝わってこない。
マーニーとの逢瀬のわくわく感、背徳感がまったくなかったのが残念。

リンジー家との交流が温かく、何よりリンジー夫妻が
大人としてアンナに交わってくれ、アンナが徐々に変わっていき
プリシラたちと本当に打ち解けていく過程が見どころだと思うのだが
その辺りの描写は全く無かった。
プリシラポジションの彩香がちょっとおませで微妙な感じで
ぐいぐい関わってくるだけで、不思議なあの空気感も無い。

杏奈に対する大岩夫妻の感情などもぽっかり抜け落ちており、
アンナが人との付き合い方や蟠りをなくし心を開けるようになるのが
ただマーニーとの夏休みの冒険、不思議な体験
としてしか描かれておらず、原作を読んでいる人からすると非常に浅く
ふわりとなんだか不思議な体験をしてちょっと変わった、程度にしか
受け取れず、
アンナが元々ミセス・プレストンのことを愛していて
でもうまく打ち解けられなくて、というところがクリアになって
自分から手紙を出したり甘えようとしたりという描写も不十分だった。

原作を読んでいる時にも、補助金をもらっていることが何故ショックなのか
いまいち共感しきれなかったのだが
アニメ映画だと描写が不十分なので余計に不明だし、
頼子が謝るというのもなんだか変に思った。

全体的にキャラの魅力が浅くストーリーも掻い摘みすぎており
原作の魅力が描かれているとは言い難い。

ただこの映画だけをなんとなく見る分には、悪くはないのかもしれない。

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