博士の愛した数式を読んだのが、小川氏の著作を読んだ最初である。
静謐で透明感のある中でもどこか温かく、下地に澄んだ冷たい水が流れているような雰囲気を感じる。

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本作も静かで淡々とした空気が流れているのは同じだ。
ただ個人的には、あまり救いを感じられなかった。
愛されている母親に比べて父親があまりにも離れたところに追いやられ
少々気の毒にも感じたし
新しい幼稚園の園長のやり方も随分だなと思った。
ただ耐えてただただ尽くして、それを本人は損だと思っていなさそうであはるのだが
自分としてはもう少しおじさんには報われて欲しかった。

狭い世界を巡る物語の閉塞感に押しつぶされそうで、
正直読み進めるのが疲れてしまう部分もあった。
目白を逃されてしまった人たちはひどく迷惑しただろうし
司書の人は一体どう思っていたのかとも思ったし
自分は主人公に全く肩入れ出来なかったので、
ラストもいまひとつ納得出来ないままあっさりと終わってしまった印象だった。

2014.12.1

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