42話「日々人の選択」
43話「ブライアン」
44話「3人の宇宙飛行士」
収録。
セオリーに則るヒューストンの判断はけして間違ってはいないのだろう。
しかし、視聴者としてはもどかしい。
真摯に言ってくれているのだろうに、「祈ろう」という言葉が
空々しく聞こえ、
「祈らねぇ。おれは祈らねぇぞ日々人」というむっちゃんの言葉が
ずしりと重い。
普段あっけらかんとしている日々人が必死になってクルーの名前を呼んだり
少し取り乱したり死に方を考えたりする様は見ているだけで辛かった。
そして日々人を、六太を信用し、兄弟の絆を信じて建言してくれた
吾妻さんにも胸を打たれた。
一人部屋で待つむっちゃんに星加さんが日々人の無事を伝えてくれるシーンも
涙無しには見られなかった。
丁寧な作画と贅沢に1分を越える尺を取って、
その間溜息ふたつだけで感情を余すところ無く伝える平田さんの演技も
ほんとうに素晴らしい。
その後の「ありがとうございます」でぞくっとした。
実の兄が弟と話せるまでに時間があいてしまうところに
さり気なく実情が描かれている。
そしてそこで、三人の宇宙飛行士に助けられた、と話す日々人。
おれたちは生きて月に立とうという弟に、当たり前だと返す兄。
言葉に出さない思い、言葉に込められた思い。
それぞれの人物の心情も描写され、非常に深い。
2014.8.17