愚者のエンドロール (角川文庫)

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古典部シリーズの二作目。
学園を舞台にしたミステリらしく、今回は学園祭に向けて
映画を撮影していた二年生から撮影途中の映画のラストを予想して欲しい
という依頼が舞い込む。
依頼と言っても探偵役である奉太郎にではなく、える宛に舞い込むのも面白い。
入須先輩のキャラクターもとても好きだ。

ミステリ初心者がミステリを勉強して脚本を書いた
という設定から、作品の中で実際のミステリについて語られるのも
小気味良くまたミステリ初心者にもわかりやすい。
前作よりもミステリの面が強くなった印象。

省エネ主義の奉太郎が積極的にこの問題を解決しようとし、
全てが終わった後知る事の真相や周囲の反応などがまた
甘酸っぱくほろ苦く、青春小説としても十分楽しめる。

『毒入りチョコレート事件』という小説へのオマージュだが
未読でも全く問題なく読める。

殺人の起きないミステリが好きな自分としては、古典部シリーズは
非常に好きなシリーズだ。