【読了】宮本武蔵〈2〉 (新潮文庫)

お甲の元を出たまではいいが、働くのも頼りない又八。剣の稽古でもしたら良いのにと個人的には思うのですが。
自分が知らせなかったせいで人が死にかけている割には呑気に思えますし、
遺品を届けようと思いついたのは良いのに、そのためにはお金を使っても良いという自己判断もまた酷い。
しかも、そう決めるまでに既に使い込んでいるというのもまた
又八らしいと言えば言えるのですが。

対比して武蔵がどんどん成長しているのが、成長しすぎのようにすら思えます。
ただの悪餓鬼だったのに、すっかり剣士へと成長し、上を目指していきます。
本旨からは逸れますが、
『何のために自分の貴重な時間をつぶして他人の貴重な時間を邪魔しにきたのか』
という言い草が好きでした。

また小次郎も登場の巻。
とても自由な感じのするキャラクターで、武蔵とは違った魅力に溢れています。
「どうせ手入れにやるこの物干し竿、手荒につかうぞ」
という台詞が恰好良く、印象に残りました。