【読了】のはなしに

著者 : 伊集院光
宝島社
発売日 : 2009-10-01
伊集院さんと奥様の仲良しなところは前々から素敵だなと思っていて
伊集院さんのお話から伺える奥様の人柄で、
すごいなと感じるところも多々あります。

この本に収録されている
片道のチケットだけ取ってイギリスに語学留学をして、
一人で英語で帰りのチケットが取れるようになったら帰ってくる
と言って半年で成し遂げてしまうエピソードもそのひとつです。
恰好良い方だなと思います。

鮭の中骨は、小さい頃私も大好きで、
でも私は中骨だけの缶詰が出た時には伊集院さんとは逆で
プレミア感が薄れた気がしてしまいました。

タメ口が許せないのはとても共感です。
仲良しになったから、という理由以外は、表には出さないけれど
かなり業腹です。

素敵だなと思うエピソードもたくさんありますが
人形かくれんぼも素敵ですね。
荒木さんのお父さんはちょっと気の毒ですが
微笑ましくノスタルジーを感じる話です。

「やれば出来る子」という言葉は、やらないから出来ていないから言われる言葉なのであって、
やる子なら言われなくても出来ているわけです。
「直せば使えるエアコン」と言い換えると、駄目な感じが増してびっくりしてしまいました。

サラダに紙ナプキンが入っていたエピソードで、
「作り直します」は、もう結構食べているのに追加で食べても嬉しくないし、”サラダを食べる”ことは当然の権利なので
作り直しは『お詫び』にはならない。
かと言って「サラダの分は無料にします」も、きちんとサラダが食べられなかったのだから当たり前。
大抵の場合、この二つがお店側の選択肢になってしまっているけれど、単に「ごめんなさいが欲しかった」というのが
すごくよくわかります。
ごめん、こういう理由だった、これを改善するからもうこんなことはないからまた来てよ。
それが一番聞きたいんですけどね。

パソコンの修理に話もある意味サラダと同じ接客についてのエピソードで
素直に承諾したものが損をする仕組みになっていることにしばしば疑問を感じます。
お店側は結局”良いお客さん”を後回しにして、
ゴネてくる嫌なお客さんを優先してしまいがち。
本来は逆にするべきなんですが。

入院のエピソードで書かれていたラジオ番組は
当時とても楽しみに聞いていました。
始めはあの番組内のあるコーナーだけが目的で聞き始めたのですが、
コーナーの前後にちょっとだけ耳に入る伊集院さんのトークに引き込まれ
すっかりファンになってしまったのです。
伊集院さんがいなくてもラジオ番組はピンチヒッターをたてて放送はされます。
でも、伊集院さんの声が聞けない間私は寂しかったし
復帰を心待ちにしていたことを思い出しました。

「ゆっくり治しなよ、いない間のことは大丈夫だから」
と言われたくて、早く戻ってこいと言われるとプレッシャーになるという人もいるのでしょうが、
私も「早く治して戻ってきてくれよ」と言われたい方です。