【読了】バガボンド(14)(モーニングKC)

遂に佐々木小次郎登場。
各所で既に言われ尽くしたことではありますが、
小次郎を耳が聞こえない設定にするという大胆な変更、
それこそが、原作と違って姉がいない武蔵の荒れ狂うような孤独と対を成すような静寂を描き出します。

小次郎の過去は、鐘巻自斎の剣だけに生きてきてそれを失った男の人生の物語でもあります。
弟子を取るほどの腕前だった自斎が、弟子に負かされ
自信も何もかも失い、かつての弟子から子供を託され
子育てなど経験もなく、自分が生きるだけで精一杯の生活の中
小次郎をときに挫け放り捨てながらも育て、
今まで捨てていた生活をまたやり直そうとする姿についほだされるものがあります。