東日本大震災後に出た最初の本です。

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エッセイで作者の顔が垣間見える内容がとても良かったです。
押し付けたり堅苦しかったりしない内容で
伊坂先生だからこそ書ける東日本大震災についての章も
素直に読めるものでした。

“これから仙台が、東北が、社会がどうなっていくのかはまったく分かりません。が、どうせ分からないのであれば、明るい未来を想像したいな、と最近ようやく思うようになりました。それはとても難しいですけれど、想像するくらいであれば、そしてそれを少し信じることくらいであれば、やってやれないことらないような気もしています。”
など、沁みる感じがしました。

震源地から離れた東京に住んでいた自分でも、あの時は
ずっと途方にくれ、無力な自分に落胆しましたし、
先生が、仙台市民だけど沿岸の人のように壊滅的な被害を受けた訳でもない
そんな自分がなにを発信すれば良いのか、
被災者の代表みたいになるのは違う
と考えられた件にとても共感します。
真剣に考えるからこそ、安易に言及はできないと思うのです。

気がつくと涙が出てしまうような情緒不安定になってしまい
小説が読めず音楽も聴けず 暗澹とした気持ちに自分もなりました。

娯楽は不安な生活の中ではまったく意味をなさず
もう小説を書くこともできない
と思ったときに、喫茶店でまた楽しいのを書いてくださいね
と言われたというのが刺さります。

被災地の作家と出版社だからこそ淡々と出そうという決断に
私はエールを送りたいと思いました。

まったり読める作品です。

2016.1.28

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