MF動物病院日誌 を読んだ感想

たらさわみち先生の、 MF動物病院日誌 を読んだ。
連載されていたのは1994年~2006年で、全26巻完結。
連載期間や時代もあって、初期の頃は絵柄も古く感じる。
割とまだおおらかな時代背景のせいか、物語の中で起きる事件が
結構酷いものであっても未解決のまま流されてしまうことも多く
その点は多少もやもやしてしまう。
後半になるとその辺りは大分解消されているように感じた。

無類の動物好きとしては、正直犯人は見つけて懲らしめたいし
無責任な飼い主には罰を当ててペットは救い出したいのだが
全部が全部そういった展開にはならない。
逆に言えば、非常にリアルであるとも言える。
扱うペットに纏わる問題も、エキゾチックアニマルであったり
町猫についての取り扱いであったりと多岐に渡る。
ワクチンや避妊・去勢手術なども、反対するわけでもなく
かと言って諸手を挙げて賛成するわけでもなく、
飼い主としてよく考えろ、という展開にしてくれているところが素晴らしい。
因みに自分はワクチン賛成、手術反対派である。
自分と違う意見の人を否定するものではないが、
獣医の言われるがまま、自分で大して考えずに従っている人が増えているのが
気になっているところなので
こうして漫画という媒体で取り上げてもらえるのは有り難いことだ。

本当に、こんなに一生懸命やってくれていて
救急センターまで作ってくれるような獣医さんが自分の町にいてくれたら
と思うのだが、獣医さんは江戸時代の対人間の医者のようなもので
玉石混淆。評判を頼りにするしかない。

飼い主の意識が高まることで、獣医のレベルや動物を取り巻く環境も変わってくるはずなので、
飼い主サイドとしても気を引き締めたいと改めて思わせてくれる作品。