進撃の巨人(21) ネタバレあり感想

進撃の巨人(21) (講談社コミックス)
諫山創

父親に洗脳されてる
俺達はあの父親の被害者
いつかお前を救い出してやるからな
猿の巨人の人の気になる言葉。
ジャンがハンジさんを助けたけれど
ライナーは奪われてしまった。

猿の巨人を倒す為の突撃で倒れたエルヴィン。
団長を見つけたときは止めをさそうとした
でも生ぬるい、地獄が必要だと思った
という言葉が、酷いと言うのも違うし
ある意味で情なのかもしれない。

エレンは海を見に行こうという夢は
子供の頃のことで実は覚えていなくて、
憎むことしか頭になくなっていて、
でもアルミンは戦うだけじゃない、夢を見ている。
涙なしにこのあたりは読めなかった。

エルヴィンとアルミン、どちらを生き返すべきか。
そして大型巨人の能力を手に入れさせるべきか。
やはりミカサとエレンの気持ちはわかるが
ここはエルヴィンだとは思う。
リヴァイが、
「こいつを許してやってくれないか?
こいつは悪魔になるしかなかった それを望んだのは俺達だ」
という言葉も染みる。

ミカサとエレンは同情の余地はあるものの
軍隊で上官に対してあの態度は流石に無い。
勿論、アルミンを助けると決めていたのに
直前でひっくり返されたのはキツイ。

だが結局、リヴァイが選んだのはアルミンだった。
ハンジのエルヴィンの命と巨人の力が託されたという言葉も、
リヴァイの
「誰も後悔させるな 俺もこいつらもお前自身も
それがお前の使命だ」
という言葉もとても重い。

いよいよ地下室。そこには本があった。
ここで、子供の頃したエルヴィンの質問が明かされる。
「壁の外に人類がいないってどうやって調べたんですか」。
素朴だが確かに真実を突いた質問である。
食い尽くされたと思われる、じゃなく
断言しているのは思い込ませたい意図が
王政側にあるということ。

エルディア復権派の話や
息子ジークが7歳で両親を政府に密告するなど
息のつけない重苦しい真実が続いていく。