べしゃり暮らし 16  ネタバレあり感想

べしゃり暮らし 16 (ヤングジャンプコミックス) コミックス – 2013/10/18
森田 まさのり (著)

覚えが悪い本読み下手な圭右君。
この気まぐれな天才のボケをスボテ受け切って笑いにする、自分以外の他の誰にもできない自負があるという辻本君のくだり、恰好良いです。

俺らの持ち味なんだからしょうがない、と能天気かと思いきや、
「俺も他の奴が相方だったらもっと慎重にやるかもしんねーけど」
と圭右君に言われたら当然嬉しいしプレッシャーも倍増するでしょう。

るのあーるがNMCの出番が終わったら「ケツがあるんで」と帰ろうとするのがなんだかリアルです。
そして梵さんが「決勝まで勝ち上がってこい」とべしゃりに言い、更に「やっぱり俺べしゃりだけ見てく」と残るのもすごくいい。
その後の
「べしゃり陥れて嬉しいか
おもしれーやつを認めようとしねーやつは一生カスだ」
と言い切るところも良いし、
審査員たちに
「本来ならあいつらすっごいおもしろいんです
きっと将来お笑い界背負って立つような奴らなんです
時間切れくらいで落とさないでやってください」
とまで言いに行ってくれるところがじんとします。
なんだかんだで良き先輩後輩であり良きライバルであり。

動揺してネタができなくなってしまった辻本君に
直後は「何やってんだよおまえ」と怒りますが、
冷静になると
「なんで俺が1人でもアドリブで切り抜けられなかった」と反省するのも圭右君らしいです。

梵さんに会って、「まぐれがよ」と憎まれ口を叩いてくる梵さんも、お礼を言う圭右君も良いシーン。

アドリブに対応できなくなりスランプに陥る辻本君ですが、シズジュン再結成を葛城さんから言われて
きっぱり「お断りします」と言う静代ちゃんも良かったです。

準決勝で「やっとあの時のおまえに追いついた」と圭右君が辻本君に言うところに、辻本君に対する尊敬やいろんな気持ちが伝わってきます。
でも、「心配すんなよ」からのアドリブ封印、
子安君の語りによる
「僕がべしゃり暮らしを抜けることを決めた原因 アドリブという持ち味を殺す」
というところは苦しいし悔しくもなります。
ぷりんすの有くんに「うるさい」と手を出すのが、いつもなら圭右君な気がするのに
辻本君だというところも印象的。

天才に頭下げられたら俺はどないしたらええねん
なんのな目に子安辞めてん
という言葉がキツイし、圭右君は圭右君で
どっちにしろ俺が足を引っ張った、と思っているところが相方という関係ってすごいなと思いました。

事故の展開は個人的にはやりすぎかな、と思ってあんまり好きではないのですが、まぁ漫画ですし
最終話に向けての展開がすごいです。