進撃の巨人(23) ネタバレあり感想

進撃の巨人(23) (講談社コミックス) コミックス – 2017/8/9
諫山 創 (著)

この巻からマーレ編に突入する。
主人公から見た敵国の事情を書いていく手法は
よくあるものかもしれないが、
進撃の読者にとってはライナーの事情になるわけなので
冷静な気持ちではとても読めない。
しかも違う道を選択した同種族が敵というのが辛い。

悪魔だと思っていた敵国に侵入して
相手も同じ人だとわかってしまったライナーにとって
「あいつらは悪魔だったんだろ」と問われて
思い出すのは仲間たちとの日々。
「地獄だった」と返す言葉はある意味では真実なのだろう。
楽しかったこともあった。だからこそ地獄でしかなかった。

巨人の力が継承者を決めて継承されていく世界観や
獣の巨人であるジークはグリシャの息子であることなどが
次々に描き進められていく。
ジークは生まれのことを秘密にしていて、
王家の血を引いてるわけでもないのになぜか特別
ということになっているのが、この後大きく影響してきそうだ。

巨人化学の副産物がアッカーマン一族である
というのも複雑な気持ちになる事実。

物語が始まった頃の設定が好きで
こうなってくると面白くない、という人の気持ちも
わからなくはないが、
善悪の物語ではないところが自分は非常に気に入っている。