私はスカーレット (1)  感想

私はスカーレット (1) (小学館文庫 は 5-7) 文庫 – 2019/10/4
林 真理子 (著)

自分にとっての『風と共に去りぬ』は、思春期に読んだこともあり
とても大切な物語だ。
スカーレットはけして友達になりやすそうな女の子ではないのだが
憎めないチャーミングさがある。

教科書で習った物事の表面上しかわかっていなかった私にとって
奴隷解放は良いことだと思っていたので
この本で物の見方が変わるきっかけにもなった。

この小説は、スカーレットの一人称になっており
”鮮やかにポップに現代に甦らせた”というコンセプトのようで
恐らく『風と共に去りぬ』を読んだことがない人にとって
とても読みやすくなっているのだと思う。
現代版にアレンジされているというわけでもなく
大筋は変わらない。

ただ原作を愛している自分にしては”ポップ”過ぎて
読み応えが少なく感じてしまった。

この先の展開の中で、登場人物に感情移入し過ぎて
落ち込んで日常生活に影響が出たほどのあの感じが
この文体でスカーレット目線でしか描かれない場合どうなるのかなと思う。

原作が難しかった、読みにくかったという方には
おすすめできると思う。