うさぎドロップ 1  ネタバレあり感想

新装版 うさぎドロップ 1 (Feelコミックス FC SWING) コミックス – 2014/10/8
宇仁田 ゆみ (著)

映画を見たので原作が気になって読み返し。

大吉は勢いとは言え、
多くの人が難しく感じ避けるような、
それでも本当はそう言うことが正しいと思っていることを
しっかり口に出し実行できる、とても尊敬すべき人だ。
無口でもりんどうを摘みおじいちゃんにあげようとするりんはとても可愛らしくいたいけだ。

会社と保育園の往復が辛いと思ったときに
りんを投げ出すのではなく、
それまでバリバリ仕事をしていたようなのに
課を異動したいと希望を出す
という思い切りもまた恰好良い。
中々出来ることではないと思う。

子供を育てるために自分を犠牲にした、という
大吉のお母さんの言葉は、これもその場の勢いも
あっただろうけれど子供としては刺さる言葉でもある。
産んでくれなんて頼んでない、と買い言葉に
発展しかねない言葉だ。
言霊という言葉を使って、口にしちゃいけない言葉
と言う後藤さんがなんだか素敵だ。
話を聞いた大吉が、
今犠牲じゃないって言い切るのは嘘くさいから
何年か後にそう思えたらいい
と思うところもとても好き。

会社は大吉がいなくてもそのうち落ち着くけど
りんのことはそうはいかない。
そう大吉が思っていてくれていることが嬉しい。
この辺りのこと、見失ったり板挟みになったりする人はとても多いと思うので。

りんが寂しがるから長生きしなきゃ
生活を改めなきゃと思うところも、
なんだかんだで大吉がりんに与えるばかりでは
ないんだろうなと思える。

おじいちゃんの家でモデムを見つけるのも
ちょっとした謎解きで続きが気になる。
大吉は常に、押し付けがましくなくりんの自主性に任せつつも
りんが選んだときにそれに応えられるように
りんのために道筋を整えようとしてくれて
本当にとても素敵だ。