空飛ぶタイヤ(上) 読書感想

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫) (日本語) 文庫 – 2009/9/15
池井戸 潤 (著)

走行中のトレーラーのタイヤが外れて歩行者の母子を直撃した。ホープ自動車が出した「運送会社の整備不良」の結論に納得できない運送会社社長の赤松徳郎。真相を追及する赤松の前を塞ぐ大企業の論理。家族も周囲から孤立し、会社の経営も危機的状況下、絶望しかけた赤松に記者・榎本が驚愕の事実をもたらす。

https://amzn.to/2ZM1geR

予備知識がなく、タイトルを聞いただけで全く内容を知らなかったのですが
三菱自動車のリコール隠しが下敷きになっていると聞いて手に取りました。

正直、読んでいて辛い話ばかりで気が滅入ります。
もちろん、小説としては大変面白いです。

 

以降ネタバレあり。



赤松氏だけが”まとも”であり、リコール隠しに挑む人々は他にもいますが
正義感からストレートに立ち上がるわけではないので
勧善懲悪のわかりやすいストーリーではなくどす黒いものがうずまいた
複雑な物語に仕上がっています。

”加害者”の子供が学校で虐めに遭うというパターンに
放置子やモンスターペアレントの問題も織り込まれ
非常に読み応えがある内容です。

弁護士がつき、なんとか部品返却をホープ自動車に迫っており
学校の事件もなんとか片が付きそうではありますが
まだまだ二転三転しそうなところ。
下巻が気になります。