舞台「クジラの子らは砂上に歌う」視聴レビュー

舞台「クジラの子らは砂上に歌う」(Blu-ray Disc+CD)
赤澤燈 (出演)

さよならが降り積もる砂の世界で 僕らは再び出会うー
果てのない砂の世界に、 祈りの砂詞(うた)が鳴り響く 〜宿命に抗い、希望を求める少年少女たちの切なく壮大な砂漠戦記〜
砂がすべてを覆い尽くす世界。 砂の海に浮かぶ巨大な漂泊船〝泥クジラ'で暮らす人々の多くは、 感情を発動源とする超能力‘サイミア'を操る短命の種族だった。 「外界から閉ざされた‘泥クジラ`’で短い一生を終える」 その運命を受け入れる少年チャクロは、 漂着した廃墟船の中で一人の少女と出会い、 少年少女たちの運命は大きく変わっていく。 生きるとは、感情とは・・・
人間のシンプルで根本的なテーマを問いかける

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漫画を途中まで読んでいる。
舞台化は知っていたが、松崎史也さんが脚本・演出を担当されていたとは知らなかった。
舞台を見に行けばよかったと後悔している。

舞台美術が考え抜かれており
泥クジラや砂漠の複雑であったり荒涼とした雰囲気であったりが
シンプルな中に表現されている。
この舞台の使い方が非常にうまく、演出家の腕の見せ所でもあり
役者の芝居に力があるからこそでもあり
非常に素晴らしいお芝居だった。
使われている音楽も美しく、よく合っていた。

サイミア(超能力)の表現方法について
どんな手法を取るかは色々と選択肢があると思うが
プロジェクションマッピングを演出で使っている中で
ダンサーさんに刀をもたせたやり方が
特に凄いと思った。
映像だけに頼る訳ではなく、かと言って役者のパントマイムなどに頼るわけでもなく
表現手法の取り入れ方のバランスが秀逸だ。

前述の舞台をライティングで区切り
同時に複数の場面の物語りが目まぐるしく展開していくのも見事。

役者さんもどの方も素晴らしかった。
特にぴったりだと自分が感じたのは
オウニの財木琢磨さんとシュアンの有澤樟太郎さん、
リョダリの伊崎龍次郎さん。
中でも有澤樟太郎さんはシュアンに合わせた
声音や動作に変えていて、殺陣の立ち回りも
見映がよくとても良かった。
マソオ役の村田洋二郎さんも流石安定感があり
締めるところは締めつつも笑わせるところは笑わせてくれて
とても引き込まれた。