伊坂先生の短編と言うと、以前エールというオムニバス本の最後を飾る短編を読んだのだが同じ本に収録されている話を多少の繋がりをもたせ
心が温かくなる素晴らしい結末に導いてくれる素敵な物語でとても印象的だった。

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この本は、まるでそれをひとりで書いてしまったかのような小気味良い連作短篇集だった。

伊坂先生らしいウィットに富んだ言い回しが
面白く洒落ているけれど、どちらかと言えば抑え気味で派手ではないけれど、どこにでもいそうな等身大な登場人物のキャラクターが際立っている。
全く知らずに読んでいたのだが、そもそも斉藤和義氏から作詞依頼をされ、作詞は出来ないが小説なら、ということで書かれたのがこのアイネクライネなのだと言う。
あとがきを読んで初めて知った。ご自身で言われているとおり、殺人などが起こらず平穏な分、伊坂作品初心者でもすんなり読みやすい作品に仕上がっているのではないだろうか。現実に、自分では意識していないほんの些細な言動に誰かが救われるという小さな奇跡が起こることがある。
だがそれを、救った側・救われた側が認識することというのはより稀であると思う。それが、この小説では奇跡を目の当たりに出来、人の繋がりも認識することが出来る。
物足りない、刺激が足りないという意見もあるようだが自分はとても面白かった。

・アイネクライネ
残業代が出ないから仕事というより罰ゲーム
自分の仕事が一番大変だと考える人間は好きじゃない
というのが伊坂先生らしく人間的で良い。
携帯電話を鞄に戻し、ふっと息を吐くと、その息が車内に舞うような感覚があった。という描写がとても好きだった。
・ライトヘビー
この部屋は占拠された、乗っ取られたという表現が非常に共感。
・ドクメンタ
夫婦の関係と外交が似ているというのは面白い。
オレモワルカッタという通帳の話もとても良かった。
・ルックスライク
自転車に乗っている時、

できる限り颯爽としたすがたをみてもらいたいため、意味もなく片手をハンドルから離したり背筋の角度を変えたり というのがとても可愛らしい。
・メイクアップ
・ナハトムジーク

2015.5.15

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