【読了】自助論

11857年に書かれた本の翻訳。内容が新しく感じるのは、この本が王道を書いた素晴らしいものであると同時に、人が全く進化していないのだとも思わされた。様々なことわざや偉人のエピソードを交え、わかりやすく書かれている。結局どんなに時代が進もうとも、人というのはその人の人格に拠るのである。芸術家は24時間苦行を行っているというのも頷いたし
“他人との約束を守り、待ち合わせの時刻に遅れない人間は、自分の時間だけでなく相手の時間をも尊重しているのである。"というのも同意。
時間について軽々しく考えている人間が多すぎると感じる。
自分の時間を無駄にするのはその人の勝手だが、こちらの時間まで無駄にされるのは非常に不愉快だ。天災とは忍耐なりと述べたフランスの博物学者ビュフォンの
早起きをする為召使のジョゼフに起こしてくれと頼んだのに、起こされると怒ってしまうというのが
人間臭いし、ジョゼフが頑張って起こしてくれた結果
「著作の3、4巻はジョゼフのちからに追う所が大きい」
ときちんと感謝出来るところにも人となりを感じた。"秩序立てて仕事をすることを知らない人間は、いかに天賦の才に恵まれていようと、その才能の四分の三は浪費しているも同然だ”
という言葉も共感を覚えた。