真保先生の大ファンだが、近年発刊されている著作は
昔のものに比べるとあまり自分の好みでないことが多い。
この著作も、面白いことは面白いのだが
膝を打つような謎解きや息もつかせぬどんでん返しというよりは
比較的予想がつきやすく淡々と描写されていくイメージのストーリーだった。

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素人なの玄人跣で大活躍するのはいつものパターンなのだが
警察や探偵ならいざ知らず、元新聞記者、元夫というだけで
元妻はじめたくさんの人が頼ってくることがいまいち解せなかった。

正義を振りかざす『君』へのメッセージがいまいちというか
黒幕に対しての不破の思いというものが大人としての逃げのような
はっきりしない態度に思え、
正義感を振りかざしても仕方ない、自分は元々この町を捨てて逃げた卑怯者だ
というニュアンスは初めの方から端々にあったとはいえ
すっきりしないラストだったなと思う。

グランドで明かされた事実も動機としては弱く感じ、
何故そんなことのためにこんなことを、というところまで込みなのかもしれないが
この当たりも納得がいかなかった。

不破がここまで恐れられることも、謂わば誤解で不破がここまで憎まれるというのも今ひとつ登場人物たちに感情移入出来なかった理由のひとつだ。

社会派サスペンスで、市長選やマスコミなどの描写は面白かっただけにちょっと残念だった。

2015/01/27
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