小説もこれより前のドラマ化も見たことがない状態で見た。

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兎に角丁寧に作られていることが感じられた。
後で秋山氏のエッセイを読んだが、実際の経歴がふんだんに織り交ぜられ
純真で真っ直ぐで真心を丁寧にするお人柄と
それを自分のものにして「秋山篤蔵」とした佐藤健さんの凄さを
改めて感じた。

このドラマの為に包丁を持ち歩いて収録の合間も練習を欠かさなかった
という佐藤健さん。
吹き替えなしの包丁さばきはそれだけで見応えがあるレベル。
この真摯な役への向き合い方が、秋山というキャラクターを
嘘のないものへ昇華している。

また、妻役の黒木華さんも素晴らしかった。
おとなしく、自分のことを美人ではないと思っている俊子。
篤蔵の為に身を引き、晴れて一緒になった後も篤蔵の仕事に対する姿勢を
尊重し続けた、古き好き時代の女性を押し付けがましくなく
柔らかに体現。
実話である鈴のシーンなども本当に素晴らしかった。

その他脇役の人たちが皆素晴らしい。
特筆すべきは兄役の鈴木亮平さんか。
優しく厳しく駄目な弟を見守ってくれているお兄さんは
とても当たり役であると思ったし、
死を目前にそれに合わせて最終的に20kgの減量という
鬼気迫る役作りも圧倒される。

脚本や演出もまた良かった。
突然破門になって戻される描写から始まり
駄目男だった篤蔵が料理に惚れ込むまでの過程を丁寧に描き
本当に酷い男なのに憎めないキャラクターに仕上げた上で
スピーディーな展開でパリ留学を描き
一人の男の成長、そして陳腐でない恋模様、友情と
飽きず納得のいく内容。
封筒を裏返してもう一度使うような小さな描写なども
丁寧で良かった。

笑いあり涙あり、久し振りにこんなに見応えのある
素晴らしいドラマを見たと思った。

2015.11.29

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