こうした類の本では珍しいのではないかと思うが
こうするにはこうすれば良い、という話だけではなく
自分はこういう失敗をした、こうしていたがこう変えてみた
といったことまで赤裸々に丁寧に書かれている。
役になりきる、違う自分になるというのではなくて
自分にある要素を膨らませてもしかしたらこうなっていたかもしれない自分を演じる。
似ているようで全く違うことだ。
自分の好きなものなどについてスピーチをしていくやり方や
体と頭を使うゲームというのが興味深かった。
わからない人にはわからない、くだらないと感じることかもしれないが
微妙に体を使うゲームというのは非常にコミュニケーションに役立つ。
チームワークはチームで行う競技なり演技なりには非常に必要なことだ。
個人的に気になったのが、感情の調節というくだり。
本当の自分という言葉はよく聞くが、
確かに自分以外の人間にとっては、
外に出した"自分"が本当の自分になる。
自分では演じている、気持ちを調節しているつもりでも、
相手にとっては、それこそが"自分"となる。
当たり前と言えば辺り前だが確かにそうだ。
役者や役者を目指す人に、非常に参考になる内容だと思う。