読みやすく一気に読める小説だと思います。
読んでみて、もしかしたら、評価が割れる作品かもと思いました。

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ニーチェ、柳田国男、ハンプティダンプティ、マザーグースなど
様々な要素が散りばめられていて
更に日本語と英語がミックスされ、ルビの振り方も独特で
この厨二病っぷりが面白いと思えるか、つまらないと思うかで
まず感想が分かれるのではないでしょうか。

オーラバシリーズでも本家の後半やインテグラルなどで
近い雰囲気はありましたが、本作では民俗学、心理学、哲学などの
学問的知識の部分が思い切り展開されていきます。
私としてはやや読みにくさは感じたものの
基本的に先生の言葉選びがツボに入るので楽しく読みました。

主要登場人物は全員余さずとても”変な人”たちですし、
帰国子女で日常会話に英語を混ぜてきたり
認知がゆがんでいて後ろ向きなことばかり言ったり
束縛も物言いもきつかったりなんて、普通に考えたら
鼻持ちならないヤツなはずなのに
魅力的なキャラクターに仕上がっているところが流石若木先生だなと思います。
舞台はほぼサークル棟のみなのに、動きもあり
会話が軽妙なのが好きです。

しかしながら、
渾身の心理学ミステリという触れ込みのようなのですが
ミステリの部分に期待してしまうとがっかりしてしまうかもしれません。
自分としては謎解きの過程があっさりし過ぎており、
トリックも今ひとつ納得いきませんでした。
緻密なトリック、迫力の謎解き、というよりも
日常に潜むオカルトっぽいホラーに近い謎解きです。

不穏な感じと軽快なやり取りの落差、かくれんぼ、階段に死体
という辺りではかなり続きが気になってワクワクしたのですが
結局謎は謎のまま、言葉遊びで終わってしまったような感があり
mysteryよりはriddleやpuzzleだったのかなという感じです。
ミステリよりも主要キャラクタの紹介と物語の雰囲気作りに重きが置かれているような気がします。
シリーズの名刺のような形だとしたら小手調べとしては
こんな感じでいいのかもとも思います。

ワトソンは要るが居るのか?
野性の陰陽師ちゃんのキャラが気になっているので
次巻が待ち遠しいです。

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