【読了】後ろ歩きにすすむ旅

イースト・プレス
発売日 : 2016-01-17
ゆかりさんの旅について書かれたエッセイ。とても読みやすいです。

怖いのは失敗したくないからというのは本当にそのとおりで、失敗してもいいやと思うと結構怖くなくなるものですね。
びくびくしつつも徐々に、自分なりに慣れていくのが、知らない土地でのひとつの楽しさでもあるでしょう。
怖怖でも、折角知らない土地に来たからには、地元ならではのごはんが食べたいですし、トライして自分がんばった!と思うのも旅の醍醐味。
反対に、どこにでもあるお店を見つけたり猫に出会ったり、変わらないものを探すのも旅の目的というのも大変共感します。

私も、なんども同じ道を歩いて、RPGでちょっとずつマッピングされているみたいで楽しいと思う方です。

京都にいったら京都御所だと自分は思っていたのですが、少数派なのでしょうか。町の真ん中にあるのが素敵ですし、歴史も感じますし、それでいて周辺は穏やかな町並みでとても好きな場所です。
京都は奇跡的に時間を耐えて残っている日本だと、私も思っています。
一番賑やかな町の中心部を機能停止させて行う祇園祭が伝統的にずっと行われているというのも、京都では後継者が育つ傾向にあるというのも京都らしいですし、頷けます。
時々京都人はいけずだとか性格が悪い、プライドが高いとか悪いことのように言われることがありますが、歴史と伝統に誇りを持っているからこそのことです。

「いつでも行ける」は「結局行かない」はまったくそのとおりで、地元や地元に近いからこそ行かないところがたくさんあるので、あとで後悔しないようにこまめに訪ねようと思ってちょっとずつ行動しているところです。

日光の部分でのスピリチュアリティへの見解にも納得でした。

日本人は無宗教、だなんてよく言われますが、私はそんなはずはないと
常々思っています。
霊山で思わず頭を垂れ、新年には初詣に行きおみくじをひく。欧米のような全知全能の絶対者である神ではなく、身近でそこここにいらっしゃる八百万の神を信じているからこそ、当たり前に体に染み付いているのが日本人の宗教観なのだと思います。