【読了】脇坂副署長の長い一日

たった一日という時間の中に事件や謎解き、様々な問題を詰め込んだ意欲作。
読んでいてドキドキしますし、続きが気になります。

ただ、真保先生の他作品と比べると、中途半端なキレ者がたくさん居過ぎて逆のどの人もぱっとせず、
怒涛の種明かし部分も、よく練ってあり詰め込んであるとは感じますが
いまいち迫力や説得力に欠けるように感じました。
また、主人公である脇坂副所長が自分としてはあまり魅力的ではなく、パトランプもつけずに高速で車を走らせたり、運転しながら携帯を扱ったりするところや、
鈴本やアイドルファンなど若者たちへの偏見もひどく
物に当たり散らしたり怒鳴ったりを平気でするところが好きになれませんでした。

様々な事件が繋がっていくところは見事なのですが
嫁に冷たい二人の警官が、警官らしいとして許され
女は仕方ないね、と苦笑いして送り出すのが正解として描かれているように感じ
ラストについてもしっくりこないところがあり、少々残念でした。