進撃の巨人(5) (講談社コミックス)

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イルゼ・ラングナーの話から始まる本巻。
巨人がすぐには襲ってこず、「ユミル様よくぞ」という言葉を発し
頭を下げるような動作をする。
意思の疎通は出来ず結局は襲われてしまうのだが、
ぎりぎりまで手帳に記録を残しており、それがリヴァイの手によって回収されることになる。
大事な伏線となっている。
また、屈しない、と書き付けているところに現れる巨人の
見開きがまだ容赦なく絶望的で、印象に残る。

相変わらず囚われたままのエレン。
一生ここでこのままなんじゃ、と思うよな扱い。
英雄扱いしろとまでは言わないが、
水くらい持ってきて欲しい気がするが。
突然現れた巨人から人が出てきたのではなくて
元々知っている人間が巨人化したのだし、と思ってしまうのだが
巨大な組織の中だし、いつの間にか潜り込まれていたと思うと
恐怖を抱くのは理解できる。

ハンジが勝手だけど私達は君を盲信するしかないんだ、と言う。
やはりエレンを英雄視する民衆も存在するのだ。
扉を蹴破られて巨人が入ってくるのだから、扉を固めたい
というのは尤もな主張の思える。
だが土地が無くて食うに困っている人もいて、
現状のままで良い訳ではない。
色々な者がいるのは当然なのだが、思惑がからみ議論が進まないのは
見ていても苛々してしまう。

エレンに暴行を加えながら
躾に一番効くのは痛み、必要なのな教育ではなく教訓と言うリヴァイ。
言ってる事は最悪なのだが、彼のこの行動でこの急場が凌げたわけで
機転や容赦の無さは流石といったところ。
後で 限度があるでしょ、とハンジが言ってくれるのも良いし
確かに解剖されるよりはマシである。

リヴァイのことを小柄で神経質、粗暴で近寄り難いと表現されるが
そうした性格付けのキャラがここまで人気が出るというのも
よく作り込まれはっとさせられる言動をしてくれるからなのだと思う。

ハンジも当初は憎しみを頼りに巨人と戦ったが、
ある時切り離した部位が異常に軽いことに気づき今に至るというのが
今はにこやかで変人のような感じだが、今まで通ってきた修羅場や
観察眼、発想力が感じられるエピソードだ。

折角拘束していた被験体が殺されたとき、
エルヴィンが「君には何が見える? 敵は何だと思う?」と
言うシーンはじわじわと恐ろしい。つまり、敵は内部にいる。
しかも、ただ巨人憎しで行動したわけでは無い可能性が示唆されている。

同期の中で調査兵団を志す者もいたけれど今はどうかわからない
と答えるエレン。
本当なら同期と一緒にいたはずだったのに引き離されて
こんなことになっていて気の毒だ。
自分でわけも分からず巻き込まれたような事態なのに
エレンはその割には冷静なように見える。
だがやはり、仲間を求めていたというのは後々になってわかってくる。

こんな状況での勧誘演説。エルヴィンが
すでに巨人の恐怖も己の力の限界も知ってしまったことだろう
と話し始める。
エレンの家の地下の話まで伝え、
ウォールマリアの奪還はゼロからのスタートであること、
四年で9割が死んだことも包み隠さず言うところが胸にくる。

初の壁外遠征。
説明すべきでないと団長が判断したなら
遠征を行って帰ってくることに集中する。
その団長への厚い信頼は素直に凄いと思う。

確かにジャンの言う通り、誰しもミカサのように
エレンのために無償で死ねるわけじゃない。
なんのために命を使うのか知っておかないといざというときに迷う。
この言葉はけして冷たい訳ではなくて、エレンを信じて
命を懸けるために知ろうとしている訳で、
ジャンの人間くさいところにとても惹かれる。

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