進撃の巨人(7) (講談社コミックス)
諫山創
選択する前に結果を知ることはできない。
終わった後で文句を言うことは誰にでもできることで
戦時でなく日常でもこうしたことはよく目にする。
何かを変えることのできるできる人がいるとすれば
その人はきっと大事な物を捨てる事ができる人だ。
人間性をも捨てることができる人。
何も捨てることができない人には何も変えることはできないだろう
という言葉は非常に重苦しいが響く言葉でもある。
決断をしたエルヴィン。
しかしそれ以上に全てを擲つ覚悟があった女型巨人。
手を硬質化させ、巨人を呼び寄せて自分を食わせるという壮絶さ。
全てを失う覚悟をするというのは、とても難しい。
言葉で言うのは簡単だが、失敗したら本当に全てが無くなる。
それを覚悟してでも前に進まないと、変えられないこともある。
俺にはわからないというリヴァイの言葉を思い出すエレンが
オレがした選択でみんなが死んだと思うシーンは辛いものがある。
誰も正解なんてわからない。
エレンも、女型に「だけどやっぱりお前が悪い」と言うのも
印象的だった。
ミカサが「あなたがエレンをちゃんと守っていれば
こんな事にはなら なかった」と上官であるリヴァイに言うところは
なかなかおもしろいし痛快。
ミカサとリヴァイの力でやっとなんとかエレンを奪還できる程度。
泣いてるように見えるのは、どういった意味があったのか。
命からがらの敗走としか言えない遠征に終わってしまう
苦しい展開だった。