気怠そうなアニ。
このあたりから、女型がアニに似ているように思うのは
やはり気の所為ではないのだなと確信する。
憲兵がこんなにも腐った組織であるとは。
新兵達に対して、お前達だけでやれ、ヘマはするな
という仕事を放り投げ責任も取らないという
酷さがはっきりわかる台詞である。
マルロとアニの会話はも印象的だ。
マルロは正しい人で、
大きな流れに逆らうのは勇気がいることだから尊敬する。
ただ単にバカなだけかもしれないけど、そういう人は珍しい。
私達は正しくないクズだけど普通の人間。
正しいのが特殊というのは少々もやもやするところだが、
流される弱い奴でも人間って思われたいという気持ちや
全員が正しい人であることを前提にしてる仕組みが問題では
という発想は興味深いものがある。
アニに、エレンを逃すことに協力してくれないかな
と持ちかけるアルミン。
「いい人って自分にとって都合のいい人」。確かにそうかもしれない。
いいよ乗った、と言ってくれるアニだが
これみよがしに指輪をしながらなところが緊張感を煽る。
やはりアニもアルミンを信じている訳ではなく
私が協力しなかったらどうするのかと問い、
理由を聞いて「そう納得したよ」と言いつつも
心の底から信用しているような雰囲気はない。
地下都市の廃墟にたどり着いた時も
「さっきからこの辺にはなぜかまったく人がいないから」
「 傷つくよアルミンいつから私をそんな目で
見るようになったの」
という会話も、読んでいるだけでドキドキしてしまう。
アルミンには実は随分前から別の確証があったとは思わなかった。
アニはマルコの立体機動装置を持っていて、
検査のときにそれを出したのだと言う。
話し合おうとするエレンとアルミンに比べて
ミカサは不毛と切り捨てるあたりやはり強い。
「ひとまずあんたは賭けに勝った。
でも私が賭けたのはここからだから」
ここで咄嗟に階段を駆け下りるミカサの判断力は凄い。
アルミンは女型に「仇を取れ」という言葉だけでなく
死に急ぎ野郎というあだ名を聞かせることでも
様子を見ていたという。
そしてエレンも、格闘をしていて相手がアニであることは
薄々わかっていたのだ。
刃物を仕込んだ指輪で巨人化するアニに対し、
エレンは手を噛むというやり方だし
失敗すると痛いだけで通常戦闘にも支障を来すし
かなり辛いところである。
アニが女型ではということは読者もある程度予想できていたにしろ
水晶体になってしまうこと、壁の中に生きた巨人がいることは
流石に予想できない。
ニックとハンジのやり取りも緊張感がある。
教団が壁の強化や地下道の建設を拒んだ理由 。
調査兵団はわずかな前進のために命を捧げ続けてきたのに
教団はなにかを知っているという衝撃。
悪人というよりそれぞれの正義が違うということなのだろうか。
ハンジが
初めて壁の外に出て以来の感覚 怖いなぁ
というのが印象的だ。
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