べしゃり暮らし 6 (ヤングジャンプコミックス) コミックス – 2008/6/19
森田 まさのり (著)

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描かれるデジきんの紆余曲折。
片方だけが売れるというのは実際よくあることで
じゃない方芸人なんて企画が成り立つほど。
金本さんが自分だけ売れて申し訳ないという気持ちになるのもわかるし
金本の引き立て役だとマネージャにまで言われて悔しい藤川さんの気持ちもわかります。

相方に気を遣われるのはやっぱりしんどいでしょう。
そこから2ヶ月で20kg太って、状況を逆手に取り
自虐ネタキレ芸で力をつけた藤川さんはすごいのですが
自信をつけて噛まずにアドリブも出来るようになり
自分の書いたネタがめちゃくちゃにされていく
しかもそれでつまらなくなるなら兎も角面白いとなれば
金本さんが複雑な気持ちになり、二人の間に溝が出来ていくのもわかります。

コンビを解散するわけでなく、でも仲が悪くなってしまったのはなぜだったのか
丁寧に描かれています。

そんなデジきんさんに図らずもまたアシストしてくれるのが圭右君。
「おやじの仕事はよく見とくもんだ」
と球ちゃんに言う圭右君の台詞は、圭右君がお父さんを尊敬しているということも透けて見えます。
「はぐれたんじゃなく逃げたんだろ」としゃがんで話しかけたり、
「きっと今日出てくる中でお前の父ちゃんが一番おもしれーぞ」
「父ちゃんを見たくねーならお客さん見とけ」
とアドバイスして
肩車をしてくれる良きおにいさんぶりが
普段から家族思いの圭右君の人となりを表している感じがします。

裏でモニターで他のコンビの出番を見ながら
「あかんわみんなめっちゃおもろみえる」
という藤川さんのボヤキもとてもリアルですし、
「2LDKにしとけ 優勝したら文句言わんやろ」という金本さんが男前です。

ワンマンライブのときに
「この世界にいてへんかったら俺なんかただのチンピラや」
「うれしいのと楽しいのは違う 俺はお前とやる漫才が楽しいからコンビ組んだんや」
と金本さんが素直な気持ちを伝え、
「俺も」となるわけではなくて殴り合い、からの
「楽しもうや藤川 また昔みたいに漫才楽しもうや」
という流れは感動しますし、男っていいなと思ってしまいます。

るのあーるやデジきんが、出番のあとやりきった、と言ったりハイタッチしたりしているのもリアルで
充実感や興奮状態が伝わってきます。

時折、作中のネタがつまらないという感想を見かけるのですが
私はそうは思わないので驚きます。
文字で読むとそう思うかもしれませんが、この登場人物たちがあの空気感の中で声を張って身振り手振りをつけて言っていたら普通に爆笑できるネタだと思うのですが。
逆に面白いとされるコンビのネタの台本を文字だけで読んでも、多分実際にライブで見るよりつまらなく感じると思います。
空気感など含めて、ネタや合いの手などすごくリアルに感じます。

裸で外歩いてたら凍死する
寒すぎて死ぬなんてお前らしいやないか
というネタがまさか伏線にされるとは思わず
ショックでした。
折角子供にも認められてこれからというときなのに。

でも、「おまえそんなことやってたらいつか死ぬぞ」と言っていたことがふいに現実になってしまうときというのは
こんな感じなのかもしれません。
冬という季節設定を差し引いても、裸で外を歩いていたら
普通誰かこうなる前に通報してやれよと思うのですが。

悲しい展開で、必要だったのかと考えてしまうのですが
相方とは、コンビとは、というテーマを
極限まで考えさせられる展開に繋がっていきます。

今まで悩んで言わずに来たのに、関西弁使うなと
ついに辻本君が言うのもまたその一貫。
素晴らしい展開です。

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