進撃の巨人(27) ネタバレあり感想

進撃の巨人(27) (講談社コミックス) コミックス – 2018/12/7
諫山 創 (著)

ヒストリアがミカサに対して、
「私たちは生まれのことで重い荷物を背負う者同士なんでしょ
ミカサが一緒ならこんなに頼もしい人いないよ」
と言うのは微笑ましいものがあった。

ジークは両親を憎み寝返る為に密告したのではなかった。
両親は正しかったしかし甘かった。

この島と世界には約100年の隔たりがある。
その遅れを埋めるのに50年は必要になる。
それはつまり、50年は地ならしが島を守るため機能しなければならないということ。
島国であるからこそどうしても日本の状況と
重ねて考えてしまう。

ハンジもアルミンもよくやっているとは思うのだが
やはりエルヴィンに比べて優しさが見える気はしてしまう。
それがこうした極限の状況では甘さにもなってしまうのが辛いところだ。
ハンジが順番、と言われたことを思い出し
疲れた、と思っているところがとても気の毒で
見ていられない。

リヴァイが
「『その村』じゃない、『ラガコ村』だ」
と訂正するのが、目立つところではないかもしれないが
リヴァイがいつも命に対して真摯に向き合っているからこそ
出てくる言葉だなと感じた。

あれはエレンに見えなかった、
俺たちより腹違いの兄貴の側につくことがあるなら俺たちは奴を切る覚悟しておく必要があるというジャン。
巨人の力は永遠に使えるものではないことがわかって、
一年前は
「俺はお前らに継承させるつもりはない
お前らが大事だからだ 他の誰よりも」
と言っていたエレンを信じたいところだが。

ミカサに憧れて調査兵団になったという
ルイーゼ。
サシャが助けたカヤも登場する。
カヤに対して、ガビはまだ見えていないが、
実情が見えてきているファルコは
カヤが巻き込まれた事態は威力偵察だったと語る。
「お母さんには何の罪もありませんごめんなさい
何も悪くないのに」
そんなファルコに、
「ありがとうベン、教えてくれて。
でも謝るのはおかしいよマーレ周りで生まれただけなのに」
と言えるカヤが達観している。
大人たちの争いに巻き込まれた子供同士、
仲間という感覚がこのときは強かったのだろうか。

兵団による政権内でのクーデター。
真意のわからないエレン。

ここにいる我々は歴史が変わる瞬間に立ち会っている
2人の兄弟によって世界は生まれ変わる

その変化は果たして正しいものなのか
未だ見えてこず混沌としている。