進撃の巨人(28) (講談社コミックス) コミックス – 2019/4/9
諫山 創 (著)

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ニコロは真っ当な人なのだろうなという印象で
どうも感情移入しがちだったので
ジャンからワインを取り上げるシーンも真意がわかる。
”いい人”なニコロだからこそ、怒りが相当なものであることも伝わるし
ガビをファルコが庇おうとするところも
その時点ではまだ正気に戻れないところもきつい。
「ブラウスさんどうぞ」と包丁渡すところも鬼気迫る。
それだけの怒りに溢れながら、仇を取りたいのは
自分よりサシャの父であると認識しているのだ。

人を喜ばせる料理を作るのが本当の俺だと教えてくれた
というニコロ。
サシャをそんなに愛してくれて嬉しいという
親のような気持ちになってしまった。

せめて子供達はこの森から出してやらないと
過去の罪や憎しみを背負うのは大人の責任
というブラウスさんは凄い。

ブラウスさんあなたみたいにはまだ俺なれないけど
これがせめてもの償いになればと
ワインについて自分の見解を述べるニコロ。
人間らしい行いだと思う。

ジークの脊髄液を体内に入れられるとまず硬直する
という情報が事実だと思っていれば、
警戒したとしても毒味をさせて問題なければ
ワインを飲んでしまうだろう。
細やかだが効果絶大の嘘だ。

アルミンとミカサが望んでいたエレンとの接触が実現する。
しかし二人が望んだのとは違う形でだ。
「静かに話したい。
エルディアの問題を解決するのに争いは無用だ」。
それはそうなのだが、エレンは手に傷つけた状態でおり
とても心静かに話し合える状況ではない。

オレは自由だというエレンの気持ちも、
アルミンがベルトルトの記憶に影響されているのでは
というのもわかる。
二言目には話し合おうというアルミンは正直確かに
役に立たないし、全く操られていないと断言できる証拠を持てない。
でもそれをぶつけてしまうのはあまりに酷だ。
ミカサに対しても、アッカーマンの習性で
エレンを宿主と錯覚しているだけだと言う。
それだけならいざ知らず。
「俺がこの世で一番嫌いなのは不自由なやつ
俺はガキの頃からずっと
ミカサお前がずっと嫌いだった」
この言葉はあまりにも酷い。
思わず殴り掛かろうとするアルミンをミカサが阻止するというのも痛々しい。
アルミンと喧嘩したことがなかったのは
お前とオレじゃ喧嘩にならないから。
本当に、結局何が言いたかったのかわからないだけに
二人を傷つけて遠ざけようとしたのではないかと
勘繰りたい思いがある。

リヴァイたちが
今までエレンを救うのに何度も死闘を繰り広げたのは
人類が生き残る希望だと信じてきたからこそ。
エレンがジークに操られているかは兎も角
ジークををヒストリアに食わせて能力をこちらの手中に収めるのは
戦術として悪い手立てではない。
ジークさえ失えば連中は終わり、と言い切れるかは兎も角
力を削ぐことは確実にできる。
「長かった エルヴィン
あの日の誓いをようやく果たせそうだ、
お前たちの死には意味があった
それをようやく証明できる」
というリヴァイの言葉は泣ける。
しかしその後の地獄絵図。やり口が汚い。
それを物ともせず、
「部下を巨人にしたからって
俺が仲間を殺せないと思ったのか
俺たちがどれだけ仲間を殺してきたか知らねぇだろうに」
と窮地を切り抜ける姿には圧倒されたし
恰好良かった。

だがジークにはジークの思いがあり
クサヴァーの眼鏡をなくしたジークは
自分の命を失うことすら恐れない行動で
リヴァイを巻き添えにしようとする。

壮絶としか言いようがない。

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