進撃の巨人(29) ネタバレあり感想

進撃の巨人(29) (講談社コミックス) コミックス – 2019/8/9
諫山 創 (著)

生まれてこない方が幸せと他者が決めるのは
とても傲慢だと思う。
町猫のTNRと同じ論理だ。
これ以上増えないように、死ぬまでは幸せなように
決められたルールの中で生きて死ぬ。

確かにハンジ達は、決定に時間をかけすぎた。
危機感がまったくないと思われても仕方ない。

土をこねて体を作ったという件は、聖書を彷彿とさせる。

コニーは、エレンは我を失ったのではと言ったが
ジャンはどう傷つけたのか話してくれと言い、
正気なら奴の真意はそこにあると言う。
やはり仲間を裏切ったのではないと思いたいところだ。

イェレナに感動したと言うアルミン。
これも、どういった真意がこめられているのか気になる。
「残念だけど仕方がない
ジークとエレンが世界を救うためだ」とも言い、
イェレナを籠絡したいのだろか。

ピークも憎めないキャラであり、
ただ仲間を信じてるという言葉も良い。

エレンとライナーの戦いは苦しくなる。
ライナーが、
「エレンもういいお前の負けだ 誰も苦しめなくていい
苦しまなくていい」
と言っているところに、やはりどこかで
自分と同じ仲間だという思いがあるような気がする。

コニーの「裏切られるのは飽きてる」という言葉
今まで彼らが通ってきた道を思うと
非常に共感できてしまう。

あれだけ大事にしていたマフラー置いてく
ミカサの心境は如何なものなのだろうか。

ずっとファルコに比べて頑なだったガビが
コルトに「待って」と言えたのは
とても重要なシーンだったと思う。
悪魔なんていなかった。この島には人がいるだけ。
互いがそう思えれば、争いはなくなるだろうか。
ファルコが脊髄液を飲んだことを知れば
ジークの叫びを阻止できるかもと考えるコルト。
本当にそうなのだろうか。

ジークの真意も読み切れない。
エレンとの約束を果たそうとしてるようだが
本気で腹違いの弟への愛情と信頼を持っているのだろうか。