バクマン。 通常版
(出演), (出演), (監督)

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「僕たち二人で漫画家になって、ジャンプで一番を目指そうぜ」
二人の高校生が抱いた、ジャンプ漫画への壮大な夢。
高い絵の才能を持つ、真城最高(サイコー)。巧みな物語を書く、高木秋人(シュージン)。
クラスメイトの亜豆美保(アズキ)への恋心をきっかけに二人はコンビを組み、週刊少年ジャンプの頂きを目指す。
編集者・服部に見いだされた最高と秋人。次々と生み出されていく漫画。
だがそこに立ちはだかるジャンプ編集部。新進気鋭のライバルたち。
そして突如現れ、遥か先を走り始めた、若き天才漫画家・新妻エイジ。
果たして二人はジャンプの頂点に立つことができるのか! ?

 

原作の漫画は非常に好きだった。
実写化が発表されたとき、全体的にキャストのイメージが違うと思った。
特に主演の二人は逆じゃないかと思ったのだが
正直実際見てもそう思った。
演技力のあるお二人なので引き込まれるし、
笑えるところは笑える。
だが高校生にはちょっと見えない。
染谷将太さんはどう見ても高校生に見えない。
高校生で漫画の描写だからこそのエイジの変人キャラで、
演技は頑張って漫画に寄せようとしている感じはあるのだが
脚本が酷い。
エイジの事情が描かれないし、
亜城木夢叶を尊敬している描写もない。
ただの煽りキャラになってしまっている。

最高と秋人の出会いの部分は、
クラスメートがバカだと思う云々の件が好きだったし
あれで二人の一癖ある感じも伝わったが
その辺りが無く、プロポーズも一応あったが
二人の約束を亜豆が持ち出さないので
亜豆のエキセントリックな感じも無い。
亜豆に関しては尺の問題でカットするのはわかる。
青木さんや見吉もいないのは残念だが
仕方ない改変だとは思う。

だがバクマン。の魅力は最高と亜豆のエキセントリックな
青春恋愛模様と、
作家たちの”友情・努力・勝利”ではないのだろうか。
エイジのキャラは先に書いた通り酷いし、
重要な福田、中井、平子のキャラも酷い。
中井がいきなりライバルとして登場するのもがっかりだし
実家に帰るのも早い、理由もほぼ無し、
だったらプロアシのままで最高の良き先輩としての描写の方が
ましだったかも知れない。
福田さんはまだ本来の熱いキャラに近かったが
それよりも乱暴さが目立つし
平丸はあの独特なキャラ、時々垣間見える良さが
全く無かったし、ビジュアルからなにから全く違う。

服部さんも原作に似せる気は皆無のようだ。
ビジュアルは勿論性格や対応も違う。
持ち込みのときは態度が悪すぎるし授賞式では気弱、
飲み会ではキレキャラであなた誰? という気持ち。
漫画は漫画家と編集の二人三脚というのも重要な要素なのに
ちっとも頼れる編集な感じが無い。
港浦だったらありだったかもしれない。
まだただの高校生の持ち込み原稿とは言え
原稿の上に名刺を置いて携帯番号を書くのは最低だと思った。

というか原稿の扱いが全体的に全員酷い。
漫画家なのに手でベタベタ原稿を触るし、
描いている時に手の油が原稿につくのも気にしてない感じだ。

最高と秋人の微妙な関係性をカットするなら、
元から親友だったぐらいの改変の方が良かったかもしれない。
亜城木夢叶のPNも出てこないし、
二人が 実力があるのに駄目なのか、本当に実力がイマイチなのか
映画の中では見えてこない描写ばかりだ。

亜豆がテレビに出ているのを見て「なんで、え、かわいい」
と言ったシーンは笑ったが
本来先に行かれた悔しさも秋人と二人で味わうべきところ。

漫画を描くシーンは、プロジェクションマッピングを使っているが
これが全く効果として出ていない。
目新しい試みというだけで終わっている。
多分、監督の好みで、必死に描いている姿だけでは
絵的に弱いと思ったのだろうが、
CGでさっさと仕上がりバトルを模した様子にされると
漫画としても映画としても手抜き感があった。
後半になればなるほどうざったい表現だった。

亜城木夢叶の凄さが描かれないので、
なんとなくエイジは凄いみたいとしか伝わってこないのに
金知恵に女キャラを出しただけで2位になる。

尺の問題で、と大事なところをカットした割には
最高が倒れるところはやるのか、とびっくりした。
原作を読んでないと最高の過労も唐突な感じがしないだろうか?
休載決定も突然だし、プロ同士の考えのぶつかりとかもなく
ただただ子供が無理して自己管理できてない、
編集長は煽っておいて突然日和って謝罪になっている。

アシスタントもいないのもどうしても違和感がある。
カットしたいのはわからなくはないが、
授業中寝てばかり、過労で倒れるほど描いている最高を見せられても
いやアシ使えよ、という気分になってしまう。
アシが使えない、使っても大変、でないと意味がない。

そしてここでもエイジの說明がないので
なんで同じ高校生なのに描けるのかがなく、最高が弱いかのようだ。

二人の約束が描かれていないので
お見舞いに亜豆がくる重みも全然無い。
いくらなんでも知らない人が見て亜豆だと思うほど
そっくりでもあるまいし、
事務所から恋愛禁止って言われたから会えない、にしてしまったら
全く話が違ってきてしまう。
夢を叶えるまで会わない約束、それを破って会いに来た亜豆、
そして亜豆が最高に原稿を描かせる、その描写がなければ
漫画家として、声優としてのプロ意識、重みも無い。

しかも「ずっと待ってるなんて無理、先に行くから」
という亜豆の台詞にはがっかりした。

本来の亜城木夢叶とエイジのようなライバル感と信頼感があって
真城先生が描きたいのはこうですよね? と言いながら
エイジが原稿を代わりに描いてくれるならまだ良かったが
突然やってきて勝手に人の原稿に手を出すただの悪役。
原作にあった、きたけど帰りますのシーンと全く意味が変わる。

編集部と漫画家が対立そた時漫画家側にたつのが真の編集者。
確かに漫画を読んでたとき、編集長があまりに意固地で横暴だと思ったし
巻頭カラーでのせてくれる展開は嬉しかった。
だがあっさりし過ぎだし、あまりに彼らの結託と戦いがチープ。
編集長と川口たろうの絆も描かれていないので
どうしても安っぽくなる。

卒業式の後、結局二人の漫画は打ち切られて
エイジとはかなりの差がつけられているし、
次の構想はあるんだ、はまぁいいとして
黒板に書くチョークとプロジェクションマッピングが
ずれているのも気になってしまった。
原作を読んでいれば知っている漫画タイトルが出てきてにやりとするところかもしれないが
原作を読んでいる人であれば亜城木夢叶の魅力や実力が描かれず
あれだけ苦労してひねり出すネームやキャラが
ぽんぽん浮かぶ感じに苦笑いしてしまうのでは。

スタッフロールを単行本の背表紙にしているのは
センスがあると思った。
逆に言えば見どころはそれくらい。

ラストのカットが打ち切られた最終話のコマで、
現実とは真逆の「ずっと待ってる」と言っているコマなのも
どういう意図なのか疑問である。

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