影響力の武器[第三版]: なぜ、人は動かされるのか (日本語) 単行本 – 2014/7/10
ロバート・B・チャルディーニ (著), 社会行動研究会 (翻訳)

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セールスマン、募金勧誘者、広告主など承諾誘導のプロの世界に潜入。彼らのテクニックや方略から「承諾」についての人間心理のメカニズムを解明。情報の氾濫する現代生活で、だまされない賢い消費者になると共に、プロの手口から人を説得するやり方を学ぶ。

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事例もいくつもあげられており、わかりやすい。
社会心理学者の筆者が無知な読者に教えるというよりも
自分も騙されやすくてこういう経験をしたから
一緒に気をつけましょうというスタンスなのも読みやすいと思う。
あげられる事例のいくつかは日本人にはわかりにくい部分もある。

母鳥に雛の音声を聞かせれば天敵の形をしていても
面倒を見るという件で、
信号刺激を用いれば下等生物を騙せると得意になる前に。母鳥が愚かに見えるのは科学者のようなペテン師が介入してきたときだけ
という注釈があったのが個人的に好感が持てた。

理由を添えると頼み事が成功しやすくなる
というのは知識としても経験としても知っていたが
~のでというだけで大した理由じゃなくても
成功するという実験結果には驚いた。
そこまで人間は『カチッ・サー』なのか。
ちょっと怖くなる。

売れない宝石を半額にするつもりが
誤って2倍の値段をつけたら完売したというのも
興味深い。
専門家が言うなら正しいだろうという思いこみは
確かにありがちだと思う。

最も原始的な病原体に至るまで
ほとんどすべての生命体に偽物が存在するというのは知らなかった。
健康な細胞が騙されて病原菌を取り込むことで病が起こる。

軽い物を持ち上げた後重いものを持ち上げると、
実際以上に重く感じる。
二番目に提示されたものを実際以上に最初のものと違っていると考える。
言われてみればそうだろうなと感じた。
スーツとセーターが欲しい客に
まず高いスーツを売ればセーターの金額が麻痺する。
ボロ屋を見せた後見せた物件は良いものに見える。
多分こうしたテクニックを実際使われたことはあるのだと思う。
車のような高い買い物をするとき、オプションにかかる金額など大したことがないと感じるものだ。

返報性のルール。
してもらったらこちらもなにかしなければ、と思う。
相手が好きか嫌いかは関係なく同じようにお礼をしようとするというのが、意外と人間は律儀である。
アンケートに回答してくれたら500円のクオカードあげる、よりクオカードを同封したアンケートの方が回収率が高いというのは面白かった。
同じ額ならそちらの方が投資する意味がある訳だが
先にあげてしまうのは多分あげる側も勇気が要りそうだ。

五ドルのチケットを買わないかと言って
断られたら一ドルのチョコバーを代わりに買ってくれという
譲歩的要請法も、必要ないとは言え断った罪悪感から
それくらいなら応えてあげるべきと思ってしまう。

セミナーの内容に矛盾があると気がついても、
これで解決できると信じたい。
矛盾指摘の意見を聞いて実際効果がないと思うのが怖いから急いで申し込む。
流石にそこまでカチッ・サーに自分はならないと信じたいところだが。

魅力的なおもちゃのCMを流しつつ少量しか卸さない。
クリスマスには別のおもちゃを代わりに買わせ、年明けにまたCMを流してそのおもちゃを買わせる。
この商法は酷いが面白い。
クリスマスの時子供に約束したから、と
コミットメントさせることで客をコントロールする。
コミットメントテクニックは
陪審員候補の選抜のときに無実と信じるのが
あなたひとりでも無実と言うかと事前に質問することで
本人の意思が固くなるのだそうだ。
まともな使い方ならいいが、詐欺師が自分で選んだ・決めたと思わせる為にも使う手法である。
本当に責任が負えるか冷静になって答えなければならないだろう。

段階的要請法。
小さな要求から飲ませてからもっと大きな要求を通す
というのも有名な方法だが、一度願いを聞いてハードルが下がるというのはありがちだ。

捕虜が手紙を出してもらえるように
手厚い待遇を受けていると書いて検閲を逃れようとする
という話もさもありなん。
史料を読み解く時、こうしたことに気をつけないと
本当に高待遇を受けていたと勘違いしてしまいがちだ。

挙手させると意見を変えづらくなる。
無記名投票なら考えを変えた時修正しやすい。
長短があり、ケースバイケースで方法を変える運用を
するべきなのだろう。

困難や苦痛を乗り越えた人はそうでない人より
得た物の価値を高く見積もる。
その行動を自分で取ったと本人に思わせる。
苦労を買ってでもしろという背景には
こうした心理も関係しているのではないか。

漠然と叫んでも動いてくれないから
名指しで救急車を呼ばせるというのは
防犯関連の講習で聞いたことがある。
知らぬ存ぜぬを通したいというわけでなく
言われた側も混乱している場合もあるので
動きやすくなるテクニックだ。

私もそうです、と言った方が共感されて売上につながる
というのはあまり実感はなかったが
自分も使ってるんですよ、と言うと納得してくれて
売れることは確かに多かった気がする。

ウェルテル効果を最初に聞いたときは怖い気もしたが
飛行機事故なども続く印象はあった。

嫌な知らせを伝える人は
その人に原因がなくても嫌われる。
本人には気の毒だが。
犬の躾も、これをすると嫌な思いをするから
やらないと思わせるやり方をするが、
似たものが有る。

車だけの広告より女性が写っている方が
好ましく捉えられるというなら
コンパニオンを置くのも理にかなっているのだろう。
車=男のものというイメージがあるから女なのだろうか。
女性用の車に男性を添えればその車は売れるのだろうか。
それは恋愛対象の性別とイコールなのだろうか?

肩書で身長が大きく見えるというのは面白い。
同じ人間を生徒と紹介したときと教授と紹介したときで
6cmも変わるとは思わなかった。
選挙で勝利した政治家もその前より大きく見られるという。

希少性の原理は非常に身近だ。
残り少ないクッキーの方が美味しく感じる。
残り少ない商品は売れている、美味しいと誤解する。
在庫が少ないと、今度ではなくなると思って
つい買ってしまうというのもありがちだろう。

情報が多すぎて何も決められない状態になると
単一の信頼できる特徴に注目する。
それが本当に信頼できる特徴なら良いが
意図して流されたものだと騙されてしまう。

結局、冷静になって見極め自分の意思で決定する以外
逃れる術はないのだろう。

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