重版出来! 14 読書レビュー

重版出来! (14) (ビッグコミックス) (日本語) コミック (紙) – 2020/2/12
松田 奈緒子 (著)

書店の未来を作る!
世界の見え方は自分で変える、
未来は決まっていないのだから――
『ピーヴ遷移』を連載する中田 伯が
キャラクターに蝕まれて心を壊し、
無期休載の事態に陥る。
仕事に自信が持てなくなってしまった心だが、
尊敬する書店員・河が計画する
「新しい形態の書店」作りに尽力することで、
本を巡る世界の見え方が変わり…!?

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漫画家に限らず、役者や小説家など創作に携わる人は
多かれ少なかれ自分の作り出した役や物語に飲み込まれる経験はあると思う。
程度問題なので、多少飲み込まれる程度なら寧ろ
プラスになるかもしれないくらいだが
伯のレベルになるとやはり厳しい。

自覚が無い割には周りの言うことを素直に聞いていて
黒澤さんを信頼していることは心温まる反面
この先どうなるかとても心配だ。

一報河さんの話は、そんなにうまくいかないのでは
という気持ちが皆無ではないにしろ安心して読める。
河さんが今まで真摯に本に向き合ってきたからこそ
こうして応えてくれる人たちもいて、
協力してくれる人たちも河さんがこうしてお店をしてくれることで
救われる部分があるという持ちつ持たれつな関係は
とても羨ましい。

個人のお店で本を置きたいという需要は
結構あると思うのだが、実際こうしたサービスはあるのだろうか。
河さんのお店に行ってみたいと思ったし
自分でもそんなお店をやってみたいとも思った。
本好きなら同じように考えたことがある人は
いるのではないだろうか。

紙の本が売れなくなってきた時代だからこそ
本当に素敵な一冊を大切に販売するという
やり方ができるようになっていくと良いなと思う。