小説、アニメなどメディアミックス全般を取り上げ
海外での翻訳本も紹介。
世界観の説明などもしっかりなされていて
読んだことがない人にとっても良いガイド本となっていると思う。雑誌掲載時などに既に読んでいるファンにとっては、保存版として購入という感じで書き下ろし部分は少なく多少物足りないかもしれない。

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フィクションの小説やドラマ、映画などを見ていて、私が気になるのが『嘘』である。
フィクションなのだから別にいいじゃないか、そんなこと言い出したら物語自体が嘘じゃないか、という向きもあるのだが
私はどうしても嘘が許せない。
ある程度の整合性や規律に則った設定がきちんとされていなければ、それこそ物語全体が嘘になってしまい
リアリティが感じられず物語がチープに思えて
入り込めなくなってしまう。

だから、上橋先生の『嘘は書きたくない』という姿勢は
とても好きだし、医療や戦闘、文化などに”嘘”がなくて
リアルに感じられるからこそ
フィクションの物語が生き生きと感じられるのだと思う。
翻訳についての対談は非常に興味深かった。
日本から世界へ発信されることが少ないというのは
大変残念なことだと思う。
少ないから翻訳者も日本の児童文学の翻訳だけでは
食べていけない、やれる人が少ないという悪循環。
こうした文化的なことは、国をあげてバックアップして
やって欲しいと思った。本当に言語というのは文化・文明そのものであり翻訳は単純に直訳していけば良いというものではない。作品への愛情がなければ出来ない仕事である。
書き下ろし短篇「春の光」も収録。バルサとタンダの感じがふんわりとやわらかく素朴で
こうした生活を送れているのだなと垣間見ることが出来て嬉しい。
未発表の掌編がまだあるそうで、いつか読んでみたい。

2015.7.24

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