著者 :
講談社発売日 : 1999-03-23
読み返し。
絵の迫力と、無駄に言葉で説明しない技巧が素晴らしい。
『スラムダンク』の後にこれだけ題材も違い、描き方も変えてこうした壮大な物語が描けるところが、流石井上先生という気がします。
先生自ら「子供に読ませたくない漫画」と仰っているそうで、人の死や汚さも真正面から描いており、大人でも苦手な方は苦手かもしれません。
武蔵の野放図でありながら漂う魅力、手柄を立てて立身出世が目指せる時代の魅力、様々な魅力に溢れています。
折角命が助かり家へ帰れるという局面に、
自分は流浪して力を試すという武蔵の強さ、無邪気さと、
早く家に帰りたかったはずがお甲と逃げてしまうという弱さも垣間見える
又八の人間臭さの対比が読ませます。