映画を先に見た。

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主人公の姉が
結婚は一番大事な就活だと言っていたのが
下世話ながらも真実で面白いなと思った。
相手によってこれからの仕事のやり方と生活が決まるというのは本当にそうなのだ。

映画でも、初めは特攻についてなんの知識も無かった主人公が
話を聞いて事実を知っていくにつれ、
同世代の若者たちの悪気はないが浅い知見に対し
不快を覚えるようになるシーンは印象的だった。

戦場に赴いて戦士に暴言を吐くことが平和活動だと勘違いしている御仁はたくさんいるが
悪いのは戦争であり、戦争をしているのは戦士という個人の人間ではない。
にも関わらず、今も昔もあまりにもあっさりと
侵略だテロだと言う人がおり、それに傷つく人がいる。
そして汚名が雪がれないままに、過去にされてしまう。

映画はわかりやすく印象的に作られており
それに比べると、小説のラストは衝撃的というか
少々蛇足なような気もしてしまった。

しかし史実を羅列していくのではなく、現代の主人公が
祖父の過去を知るために同世代の人間を訪ね歩き
戦友達が過去を語るという書き方はわかりやすいし
現代の人間が何も知らないということも描きやすく
初めに会った人は祖父をよく思っていなかったというのも小説として面白い展開だったと思う。
また、当時生きていた人から直接話を聞くことで
事実であること、今自分たちが生きているこの時間まで、時の流れというものは繋がっているということ
それを実感出来るというのは素晴らしいことだと思うし
それが歴史の重みだと思う。

今に生きる人間たちが何が出来るのか
何をするべきなのか
そうした問いかけとして、有意義であると思うし
やっと日本人がそうした声をあげられる時代になってきたのかもしれないと思った。

Amazonのレビューに目を通したが
『殉愛』に関連しての筆者への批判が多く残念。
せめて殉愛のレビュー欄に書いて欲しいと思う。

また、『壬生義士伝』の劣化コピーという意見について
自分は壬生義士伝も読んでいるが正直あまりピンとこなかった。

事実を元にしている以上、たとえば幕末の池田屋事件の場面では誰かが階段を転げ落ちて沖田が喀血するというような
(史実かどうかは置いておいても)
最早様式美かのような
どのフィクションを見ても大抵は同じような描写、
となってしまうのは致し方ないことだとは思う。
ただ、歴史小説など事実を扱った小説に対して、事実を勉強しているものが
表面だけを取り上げている小説や、小説の表面しか見ない人に対して
「この小説をきっかけにするのはいいがもっと事実を勉強して欲しい」と思う気持ちはよくわかる。

『大空のサムライ』は読んだことがないので、読んでみようと思う。

2015.4.17

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