ネタバレあり。
自分は他のみんなに比べて、
宇宙飛行士になるべき人ではないのではないか
そう悩む六太に、シャロンらしい励ましの言葉。
「悩むならなってから悩みなさい」。
わかりやすく、悩む六太の視界をぱっと明るくしてくれる。
『シャロンはいつも俺の頭をほぐしてくれる』。
シャロンが本当に素敵で、お母さんのようでもある。
三次試験は完全閉鎖環境で行われる。
ここのエピソードはアニメで見ていた時もとても好きだった。
真面目なエピソードや、監視カメラかかつらかみたいなギャグエピソードなど
構成も見事で重さや軽さを引っ張りすぎずバランスが良くて
よく出来た芝居を目の前で見ている気持ちになる。
むっちゃんは本当に人のことをよく見ていて、
自分では気づかないのだろうけれど、それもひとつの才能である。
試験で同じA班に割り当てられる福田さんが実に魅力的なキャラで
リーダーとしての資質、和を重んじる穏やかな雰囲気、
聡明さ、年を感じさせない言動、色々な面で六太や他のメンバーに
影響を与える人だ。
「
私の夢は年をとっていない」という台詞にぐっとくる。
また、三次元蟻のエピソードも良かった。
全体的にむっちゃんは、考えていなさそうで
やっさんに突っ込まれつつも、ぽんと答えを投げてきてくれる。
むっちゃんはむっちゃんで、みんなの頭をほぐしてくれる人なのだ。
このエピソードでも、まっすぐ線を引いただけでひたすら考え続け
「抗議しない」という結論を出した。
試験の回答としては間違いだろう。
だが、見識が狭く理解できない、しようともしてくれない人に
心を砕いて理解してもらおうとするよりも、
宇宙に連れて行ってしまう方が確かに早いかもしれない。
そして、誰もが宇宙に行ける日々がまだまだ先だとしても
日々人がいる。日々人がいる月をみんなが見上げる。
説得力があり、
またJAXAの人たちをはじめとする人々の溜飲を下げる言葉だと思った。
2015.9.20