【読了】宇宙兄弟(1) (モーニング KC)

友人に薦められてアニメを見てハマり、漫画を買い集めた。
アニメも丁寧に作られていて本当に素晴らしかったが
この原作あってこそ。
本当に素晴らしい良作である。

兄とは弟より先に進んでいなければならない。
そう思う六太にとって、夢を諦めず邁進し、遂に実現させた日々人は
誇りであると同時に引け目である。
紆余曲折あって再び宇宙飛行士の夢を見る六太。

六太自身も魅力的なのだが、そんな彼が立ち止まる度に
柔らかな言葉で解きほぐしてくれるシャロンもまた魅力的である。
大人になり臆病になってしまっている六太に、
子供の頃のあなたは全部やってみて、一番難しいものを選ぶ子だった、
単に金ピカだったから選んだならそれでもいい
今のあなたにとって金ピカなことはなにかと問いかける。
今の六太にとっての金ピカは月であることが、押し付けがましくない
ラストのカットで表現されて素晴らしい。

先を知っていると、六太を見た時の星加さんのカットから
星加さんの気持ちが伝わってきてにやけてしまう。

日々人は直接むっちゃんに何か言うことはなくて
初めて言ったのが「もっと張り合えよ。つまんねぇよ」なのだが
それはつまり絶対にむっちゃんが宇宙飛行士になると
信じてやまないということでもある。
それが、初めの日々人の記者会見の言葉とも繋がり
構成も素晴らしいのである。

2015.9.20