原作と比較すると、多くの点で改変が見られる。
ただドラマとして動くリアルのビジュアルで、限られた時間の中で
迫力あり人を惹きつける構成にする為の改変であり
比較的納得がいく変更点が多いかなと思い、
自分としては気になる点はいくつかありつつも問題ない範囲と捉えている。
ドラマ単体としては非常に面白いが、
原作ファンとしてはリアリティの面などで不満もあったと思う。

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何より役者陣が実力派揃いで素晴らしい。
特に一號と伊織は漫画からそれぞれの個性を抽出し強調して
わかりやすく魅力的なキャラクターに仕上げられていると思う。

以下ネタバレあり。

ただ一点、女性キャラを出したい、大きく扱いたい、
伊織との対立をわかりやすくしたい、などの理由があるだろうことは理解するが
両親を殺されたのは一號で良かったのではなかろうか。
だからこそ、何かが違えばこうなっていただろう自分である相手に
一號と伊織が反応し、反発しつつも進んでいくというのが良かったと思う。

一號の元プロボクサーという設定も、ドラマではビジュアル上の
軽い感じでしか取り扱われていないように感じ
取り立ててガタイが良くて目立つわけでもなく、内心の葛藤も
上記の設定が無いばかりに描写が不十分で軽々しく、
踊る大捜査線の青島なみの独断や命令違反が目立つ。
そこに信念が透けて見えず、ただの熱血馬鹿に見えていらっとしてしまうところがあり
伊織の言っていることが全面的に正しく見えてしまうところが残念。

一號の信念というよりはただの我儘で夢物語な理想の為に
本人だけでなく周囲が危険に晒されるのに、なんとなく最終的には
結果オーライで、だから良い、一號の真っ直ぐさが良い、みたいに
まとめられていくのが勿体無いと思う。

伊織はドラマの方が冷静で感情を抑えている部分が強く
熱血馬鹿の一號との対比を見せたいのかなと感じた。
振り向き方など細かい点でも、拘って演じられているように窺えた。

原作の名言を、原作とはやや異なるシーンで言わせるというのは、
きたきた!と思う反面残念にも感じるのだが
丁寧に作っているという印象は受ける。

全体的に、わかりやすくしようとして度が過ぎている部分があるのかなと思う。
たとえば、正木がMとしてチンピラなどを使って騒ぎを起こしたり、
理念は原作と同じだが行動を起こしたのは独断であったり、
伊織の過去を一號が自分と同じ匂いを感じ取るのではなく
伊織が自ら話してしまったりと言ったところだ。
「姉は二度殺された」という台詞は非常に良かった。
簡単な言葉だが視聴者は衝撃と違和感で引きつけられる。

秋のキャラ設定もめちゃくちゃ度に筋がとおっていなくて、
過去話も描写はカットされているので理由がぴんとこないが
なんだか蓮葉なところのある根性の有る女、になってしまっている。
この辺りは尺の都合上仕方ないだろうと思う。

合同訓練で滑落するのが上野ではなく嵐という点もそれに当たる。

正木圭吾の怖さも、原作とは全く種類の異なるものになっている。
ただ、ドラマの正木も自分は好きだ。
インテリヤクザ系で、バスでおばあさんに親切にしている描写など
得体の知れない感じ、知能的な感じの演出が良かったと思う。

如何せん原作は17巻以下続刊と、量もある上完結していないので
ドラマとして切り取るには難しい点も多いと思う。
様々な制約下で、丁寧に作られているように見えたので
好感が持てるし、ドラマとしては最後まで面白く見られた。

映画ありきの展開なので、イルマの登場や展開も中途半端に感じるが
映画でそれらが回収されることを期待したい。

2015.8.15

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